「歯固め」って何??

【お食い初めの儀式】料理や歯固めの石の疑問、解消します!


どうか元気で、大きく強い子に育ちますように・・・

 

子どもが生まれれば、親なら誰もがこう思うはずです。

 

日本には、そんな赤ちゃんの健やかな成長を祈って行う行事がいくつかあります。

 

その中のひとつが「お食い初め」。
赤ちゃんが食べ物に一生困ることのないように、との願いを込めて行う大切な儀式です。

 

また、お食い初めの中で行う「歯固めの儀式」というものもあります。

 

ここでは、お食い初めが初めてという方にも分かりやすく、儀式の内容や準備物などについて詳しくご紹介します。

 

『お食い初め』ってなに?


「お食い初め」とは何か、まずはこの行事の意味や起源をしっかりと理解するところから始めましょう。

 

お食い初めの意味

お食い初めは、赤ちゃんの乳歯が生え始めるとされている、生後100日目に「一生食べ物に困ることのないように」との願いを込めて行う儀式です。
赤ちゃんに、縁起物のお料理を食べさせる"真似"をして、今後の健やかな成長を祈願します。

 

お食い初めの起源

さかのぼること、およそ1200年程前。
日本の伝統的な行事である「お食い初め」は、平安時代に始まりました。

 

当時は、今のように飽食ではなく、赤ちゃんが元気で大きく育つことが難しかった時代です。
そこで「餅」を食べさせる真似をして、一生食べ物に困らず元気に育ってほしいと祈願していたといわれています。

 

室町時代になると、お食い初めに使用される食材は「餅」から「魚」に変わりました。
そして、それ以降今のお食い初めの形が定着したのです。

 

別名

この行事は「お食い初め」という名称が一般的ですが、これも時代とともに移り変わり、現在も地域によって異なる名称で呼ばれることがあります。

 

まず、今のお食い初めの始まり、平安時代には「百日(ももか)」と呼ばれていました。
これは、儀式を行うのが生後100日目であったことから来ています。

 

そして、室町時代には食べ物が「魚」に変わったことから「真魚初め(まなはじめ)」と呼ばれるようになりました。

 

現在は、「お食い初め」の他に以下の名称で呼ばれることがあります。

 

  • 「百日祝い(ももかいわい)」・・・ 平安時代と同じく100日目のお祝いというところから来ています。
  • 「真魚初め(まなはじめ)」・・・ 現在もお食い初めには魚(鯛)を使用します。室町時代から変わらずこの名称で呼ばれることもあるようです。
  • 「箸揃え(はしぞろえ)」「箸祝い(はしいわい)」「お箸初め(おはしはじめ)」・・・ これらは、初めてお箸を使うことから来ています。
  • 「歯固め」・・・ 乳歯の生え始める頃に行うため「丈夫な歯が生えてくるように」という意味で、儀式全体をこう呼ぶこともあります。

 

 

『お食い初め』で準備するもの


お食い初めは、赤ちゃんの生後100日目に行う、一生に一度の大切な儀式です。
儀式というと、なんだか厳かなイメージを持ってしまいがちですが、思い出に残る素敵なものにしたいですよね。
そこで、当日しっかりと儀式が進行できるよう、事前に準備をきちんと行っておきましょう。
では、実際にどういった準備をすればいいのか、ご紹介していきます。

 

日にちを決めよう

先述したとおり、お食い初めは生後100日目に行う儀式です。
しかし、ぴったり100日目に行わなければいけないわけではありません

 

生後100日目を目安として、その前後で都合の良い日を決めましょう。
日にちを決める際は、赤ちゃんの体調、家族の予定、祖父母や親族を招待する場合その人たちの予定を考慮することが大事です。

 

また、仏滅ではなく大安の日を選ぶとなお良いですね。

 

場所の選定

日にちが決まり、お食い初めの準備を始める際、次に決めておきたいことは「どこで儀式を行うか」ということです。

 

お食い初めには、必ずしもここで行わなければならない、という決まりはありません。
家庭の都合に合わせて、自宅で行うのか、料亭などのお店で行うのかを選ぶと良いでしょう

 

しかし、「自宅かお店って、結局どっちでやった方がいいの?」と迷ってしまう方も、中にはいらっしゃることでしょう。
そこで、考えられる双方のメリットとデメリットを上げますので、ぜひ場所選びの参考にしてみて下さい。

 

自宅のメリット・デメリット

お食い初めを行う場所として自宅を選ぶ場合、まずはメリットを見ていきましょう。

 

  • 赤ちゃんの機嫌が悪くなってもすぐに対応できる
  • 出かける準備や着ていく服装などでバタバタしない
  • 気楽なホームパーティーのように行えて、コスパも良い

 

デメリットは次のような点です。

 

  • 料理、家のセッティングなどの準備や片付けが大変
  • 祖父母や親族を招待する場合、気を使う etc...

 

お店のメリット・デメリット

続いて、お店でお食い初めを行う際のメリットとしては以下のようなことが挙げられます。

 

  • 料理、家のセッティングなどの準備や片づけが不要
  • 祖父母などの親族を呼んでも、そこまで気を使わなくて良い
  • 料亭などには、お食い初め専用の祝い膳がある見せも多く、食器や料理など正式な儀式がしやすい

 

デメリットは以下のような点です。

 

  • 外で慣れないことをさせてしまうので、赤ちゃんへの負担が大きい
  • 儀式の後に、お店でそのまま食事会などをやるとなるとお金がかかる etc...

 

 

それぞれのメリット・デメリットを挙げてみましたが、どちらが良いかは各家庭によって様々です。
先祖代々受け継がれているやり方がある家庭もあるでしょうし、親族は呼ばずに赤ちゃんとママ・パパのみで行う家庭もあるでしょう。

 

迷った場合には、親族や家族内で相談して決めるのも良いかもしれません。

 

お店で行う場合は、予約を取る必要もありますから、出来るだけ早く場所を決めるようにしましょう

 

食器について

お食い初めに使用する正式な食器は、"漆器"と決められています。
お正月の「お屠蘇」なども、漆器でいただきますよね。
漆器は、お祝いやおめでたい席での食器として、日本では古来使用されてきました。
お食い初めも、その席のひとつです。
しかし、お食い初めでに使用する漆器は、赤ちゃんの性別によって違いがありますから注意が必要です。

 

  • 男の子・・・ 外側も内側も朱塗りの漆器を使用
  • 女の子・・・ 外側が黒塗り、内側が朱塗りの漆器を使用

 

このように、漆器の色が違います。

 

正式なものとしては"漆器"となっていますが、実際のところ、最近は長く使える木製のお碗やお膳セットを使用したり、ベビー食器(食器セット)を使用したりする家庭も増えているようです。

 

祝い箸について

お食い初めは、食べる真似とはいえども、赤ちゃんにとって生まれて初めての「食事」であり、初めてお箸を使う儀式です。

 

そのため、お食い初めという名称の他に「箸揃え(はしぞろえ)」「箸祝い(はしいわい)」「お箸初め(おはしはじめ)」という呼び方もされることは、すでに紹介しました。

 

それだけ、お食い初めにおいて重要視されているお箸。
このときに使用するお箸は、祝い箸といわれています。

 

祝い箸の素材と形

祝い箸には、柳の木が使用されており、その形は両端を細く削って作られています。
長さは約24cmです。
なぜこの長さなのかというと、日本の長さの単位で24cmは八寸だからです。
八寸という長さは「末広がりの八寸」といわれ、下の方に次第に広がっていく「八」の形から古来縁起のよい数字とされてきました。
そのため、祝い箸は約24cmの長さで作られているのです。

 

 

『お食い初め』の料理について


お食い初めの献立は、日本の基本的な食事の形である「一汁三菜」を基本として組まれています。
一汁三菜とは、主食のご飯の他に、椀物(汁物)が1つ、おかずが3つ(主菜1、副菜2)で構成されている献立です。
さらに、赤ちゃんの健やかな成長を祈願する祝い事の食事ですから、全てのメニューに縁起物の食材が取り入れられています。

 

ここでは、その献立と使用される食材の意味などをご紹介していきます。

 

お食い初めの献立とは

基本的に一汁三菜となっている、お食い初めの献立ですが、実際にどのようなメニューが並ぶのでしょうか。

 

以下がその献立の内容です。

 

ご飯:赤飯
椀物:蛤(はまぐり)の吸い物
主菜:鯛の姿焼き
副菜:1.煮物
副菜:2.香の物
歯固め石

 

では、この献立の意味を順を追って見ていきましょう。

 

ご飯:赤飯

赤飯はめでたい色である赤が入っているので、祝い事の席には欠かせない食べ物です。
そして、赤色は魔除けの意味合いも含まれています。
「小豆の皮が破けるのが不吉」という理由で、小豆に代わって、ささげを使う地域もあるようです。

 

椀物:蛤(はまぐり)の吸い物

お吸い物は「吸う力がつきますように」との意味があります。
そして、蛤は貝合わせで使用されることから、「貝のように、ピッタリくっつくいい伴侶に巡り合えますように」との願いが込められています。

 

他には、エビを使ったお吸い物もあります。
意味は、曲がったエビを人に見立てて「腰が曲がるくらい、長生きしますように」との願いが込められています。

 

主菜:鯛の姿焼き

七福神の恵比寿様も持っている、めでたい魚の鯛。
「めで鯛」の語呂合わせから、赤飯同様お祝い事には欠かせません。

 

切り身ではなく、尾頭付きなのは、「首尾一貫(初めから終わりまで、筋が通っていること)」との意味があります。

 

副菜:1.煮物

煮物はいろいろな種類があります。

 

大根と人参
紅白のめでたい色として使われます。

 


「筍のようにすくすく成長しますように」との願いが込められています。

 

レンコン
「先が見通せるように」という意味があります。

 

六角形のかぼちゃ
亀の甲羅に似せ、六角形に切ります。
「亀のように長生きしますように」との願いが込められています。

 

副菜:2.香の物

梅干しが多く使われます。
意味は、梅干しのシワを人に見立てて「顔がシワがたくさんなるまで、長生きしますように」との願いが込められています。

 

歯固めの石


お食い初めで欠かせないのが、「歯固めの石」です。
ここでは、歯固めの石の意味、そしてどんな風に使うのかを、ご説明します。

 

意味

この歯固めの石は、「石のように丈夫な歯が生えますように」との願いが込められたものです。
歯が丈夫なら、しっかり食事をとれる。かつてから、「長生きのもとは歯が丈夫であること」と考えられてきました。

 

「一生食べ物に困ることのないように」との願いを込めるお食い初めには、欠かすことができません。

 

使用方法

歯固めの石の使用方法は簡単です。

 

歯固めの石に祝い箸をチョンチョンと当て、その祝い箸を赤ちゃんの歯茎に軽くチョンチョンと当てます。
これで終了です。

 

歯固めの石を、直接赤ちゃんの歯茎に当てると思う人のいるかもしれませんが、誤飲の恐れがあるので絶対にやめましょう

 

歯固めの石は、どこで手に入れる?

では、歯固めの石はどこで手に入れるのか。
ここでは、歯固めの石の入手方法をご紹介します。

 

神社

すべての神社ではありませんが、お宮参りの際に祝い箸と歯固めの石を、授かる神社もあります。

 

もしくは、境内の石を拾って使うのも大丈夫です。
人が通ってない場所から、お借りしましょう。
その際、しっかり参拝し、使い終わったら返却するのを忘れてはいけません。
あくまでお借りするのです。

 

河原

歯固めの石は、河原で小石を拾ってきても構いません。
しっかり洗って、使いましょう。

 

通販

最近では通販でも、歯固めの石を購入できます。
値段は500円位です。

 

通販商品だからといって、侮ってはいけません。
人気の神社の歯固めの石(祈祷、祈願済み)を購入することもできます。

 

是非チェックしてみて下さい。

 

代用品

もし歯固めの石を用意できない場合は、代用品があります。
例えば、タコアワビです。
「硬いタコやアワビを噛めるように」、とタコやアワビが代用品として使われます。

 

他にも、碁石、栗を代用品に使うこともあります。

 

『お食い初め』のやり方


準備が整ったら、次は実践です。
ここではお食い初めのやり方をご説明します。

 

食べさせる順番

お食い初めは、食べさせる順番が決まっています。
地方によって多少順番の違いはあるようですが、一般的には、

 

ご飯(赤飯) ? 椀物(蛤の吸い物) ? ご飯(赤飯) ? 主菜(鯛の姿焼き) ? ご飯(赤飯) ? 椀物(蛤の吸い物)

 

の順番で、これを3回繰り返します。

 

実際食べさせないで、食べさせる真似で大丈夫です。

 

3回終わったら、歯固めの石をして終了です。

 

食べさせ役

お食い初めを行うのは、お父さんお母さんとは限りません。
長寿にあやかる意味から、最年長の参加者が行います。

 

その際、男の子の場合は男性が、女の子の場合は女性が行います。

 

しっかり膝の上に座らせて、食べさせる真似をしましょう。

 

注意点

お食い初めは、食べさせる真似をする行事です。
実際に食べさせる必要はありません。
喉に詰まらせる可能性もあるので、しっかり注意しましょう。

 

そして、お食い初めをする際「ママパパ、どちらの実家で行うか」というケースがよくあるそうです。
その際は、自宅で行う事にしましょう。
めでたい祝い事の席です、トラブルが起こらないように気を付けましょう。

 

 

お食い初めは「人間の子になる」大事な儀式


「【お食い初めの儀式】料理や歯固めの石の疑問、解消します!」、いかがだったでしょうか?

 

お食い初めは「人間の子になる」との意味がある、赤ちゃんにとっての大事な記念日です。

 

色々な決まり事はありますが、最近では簡略化されていることもあります。
あまり決まり事に縛られないで、みんなで笑顔で、大事な子供のお食い初めを祝ってください。

 

まとめ

 

  • 「一生食べ物に困ることのないように」との願いを込めて行う儀式
  • お食い初めの起源は1200年前
  • 準備するのは一汁三菜と歯固めの石
  • 歯固めの石は、主に神社で手に入る